街の中にある窓の数を、数えてみたことはありますか。
散歩しながら、いろいろな形の窓を見つけて数えていくのです。
窓の数は、生活の数です。
同じ屋根の下でも仕切られた部屋ごとに生活が存在していて、それだけたくさんの生活がそこに存在していることを実感します。
こんなにもたくさんの人間がこの街にいるのか、という寝言のような感想が出てくるのです。本当に、そう思えるのです。
そのひとりひとりに喜怒哀楽があって、緻密に絡み合いながら、生活を営んでいくのです。
まるで、街は生きているようです。
というより、実際にそうなのではないでしょうか。
僕らの生活は、街の鼓動、シナプス、排泄、呼吸や、消化などの全てであるのです。
そうだとすれば、昨日の反省や、今日の惰性、明日の妄信さえもが意味を持っているのでしょう。
僕は今日も、どこかの街のとある窓の中で生活しています。
漂流ノート#2収録
息を吹き込む