電車は行ってしまいました

それなのに、僕はまだ駅にいます。

次発の電車を待っているのですけれど、それにしても、電車は行ってしまいました。

僕は相変わらず、駅に残っています。

それが公共交通機関である鉄道の仕組みなのでしょうけれど、電車は行ってしまったのです。

さて、遠くのカーブの焦点から、電車が這い出てきます。

線路を辿って着実に、こちらを目指して進むのです。

僕はそれを見るだけで、みるみるうちに電車は近付きます。

遂に電車は止まります。

実は僕もずっと止まっていたので、それに乗り込みます。

車窓を眺めるに、景色も止まっています。

止まった景色が、目で追えない速さで流れていくのです。

僕は高速で動いていて、緩やかに止まっていきます。

完全に止まってから、また静止した景色に進入するのです。

なんて、不思議な電車。

風止場管理人

風を読み、言葉を紡ぐ。
思考と感覚の記録を残すための“風止場”を運営しています。
管理人について、は下のリンクから↓

風止場の続きを追う

Xでは、記事になる前の問いや景色などを発信しています。
RSSでは、新しい記事の更新を受け取れます。

風を残す

コメントする

目次