弱い虫がいます。
力比べをするまでもなく、見るからに弱い虫なのです。
産毛ほどの脚、齧ることもできないような口、ふらふらと、どこへ行くでもない歩き方。
過酷な自然の中で、いま目の前にいること自体が奇跡のような虫なのです。
それでも、いるということは、生き残ってきたということです。
なんで、こんなにも弱い虫がいるのでしょう。
繁殖能力が優れているのでしょうか。
エネルギー効率が高いのでしょうか。
逃れる術に長けているのでしょうか。
弱い虫は、どんな気持ちで生きているのでしょうか。
他と同じように生きている、といっても、僕は僕の人生しか生きたことがありません。
どうして、どうやって、生きているのでしょうか。
漂流ノート#4収録予定