ベランダの昼

何でもない昼に、ベランダへ出てみました。

他所の家の洗濯物は、そよぐことをやめていました。

路駐の車は、ドライバーを待ち続けていました。

あんなに鳴いた鳥の声は、何処かへ消えてしまいました。

部屋の中では、時計の針が絶えず音をたてているのに、昼のベランダには音がありません。

雲だけが、ゆっくりと流れているような気がします。

真夜中とは違って、はっきりと見渡せる静寂があるのです。

僕がどんな気持ちでベランダに出たのかなんて知らずに、昼は沈黙で返します。

だから、僕は少しだけ昼を見つめて、そしたらすぐに部屋に戻るのです。

僕の部屋は、少し明るくなっていました。

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