酸素欠乏欲求

眠れなくて、息を止めてみる。

というのも、眠いときに出てくるアレは、脳に欠乏した酸素を取り込むためのものだと聞いたことがある気がする。

だったら、酸素を断てば、機械的に入眠できると思う。

睡眠は死への道中みたいだ。

怖いな。

そろそろ息苦しくなってきて、これまた機械的に不安になる。

まだ少し余裕はあるけど、息の吸い方が分からなくなったらどうしよう。

というよりも、そもそも息の吸い方は知らなくて、ちゃんと引き戻れるのか心配になる。

それを言うなら、寝た後に起きられる確証もない。

寝る方は分かるけど、起きるときが自主的でないとは恐ろしい。

いよいよ、胸が締め付けられてきた。

脳が息を吸うように合図をガンガン出してくるけど、無視する。

身体までもが勝手に息を吸おうとする。

インスタント走馬灯がよぎる。

即席らしいラインナップで、悲しい。

たったこれだけで人は死んでしまえるのなら、よく毎日を生き延びているなと思う。

ぱっと口を開くと、一気に空気を吸い込んでいた。

その感覚は思っていたよりも、自主的だった。

案外、自ら生存できるんだと思ったけれど、そういえば、いつかの夜もこんなことをしていた気がする。

ううん、眠れない。

息を止めてみる。

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