昔はよく自転車を漕いでいました。
駅まで30分くらい、ほとんど毎日です。
あれに乗れば、本当にどこまでも行くことができます。
足を止めるまで、ずっと進み続けるからです。
それでたまに怖くなります。
風を切りながら、ぐいぐいと進んでいく。
あれ、いま何を考えていたんだっけ。
真っ直ぐ行って、突き当たりを右に曲がって。
あれ、駅に着いて、それでなんだっけ。
今すぐ、来た道をそのまま辿れば、僕は帰るんだっけ。
確かそういうことを考えながら、自転車を漕いでいたかと思います。
とにかく、あの時間が好きではあったのです。
ぐらぐら揺られながら、ただペダルを回していただけのあの時間です。
風を残す