対人QRコード

人間の脳は、数パーセントも使えていない。

よくこういうことを聞きます。
だとしたら、1パーセントの比重はかなり大きく思えてきます。脳の1/100を発掘するだけで、何百万人もの人間を追い抜ける気がしてきませんか。

そう、使えていないということは未発掘の領域があり、僕らはまだそこの使い方を知らないということなのです。

ちなみにこれは都市伝説らしいのですが、仮にそうだとして、かつ、フル稼働させてもエネルギーを賄えるものとして考えてみます。

脳を使えるようになれば、各器官や細胞のひとつひとつにまで、随意に指示を出せるようになるのです。
身長、体重は意のままに、羽やエラを持つことも可能になるのでしょうか。

そして、僕が最も妄想を膨らませているのは、対人QRコードを使用することが可能になるのではないか、というところです。

QRコードは、情報を2次元のコードに落とし込んだものです。一見すると意味を持たないドット群から、読み取ることで中の情報を取り出すことができます。
対人QRコードとは、そんなふうに何らかの形をとって実行内容を人間に読み取らせるものになります。

たとえば、フル稼働の脳を使って発話するとします。内容は、「oan=‘w?*ehu 9|「dw/2’&3!き.19」です。
僕らにとって、これは意味不明です。しかし、実はこれを聴覚情報として脳が認知すると、無意識に脳への指令として処理されてしまうのです。
聞き手はそれを相手の発言としては捉えられずに、対人QRコードとして読み取り、シナプスは実行内容どおりに伝達を繰り返します。
その結果、先の指示に従って、「ワン」と吠えることになります。

このように、脳をすべて活用できるようになれば、人間をもっと機械的に理解することができるようになります。0から100まで脳に制御された人間の実態が見えてくるはずです。
マウスという直感的な操作は必要なくなり、キーボードのみでショートカットによる直接的な入力も可能になるのではないでしょうか。
僕らが今まで何となく理解していた人間というものは、理解するほど薄れて、ただの信号の入出力だけの無機質なものへと変わっていくでしょう。

以上、仮定の上での思考、つまり、妄想でした。
しかし、もし対人QRコードなるものが実在していたら。よく観察してみてください。
誰かの何気ない口癖や、視界に入り込んでくる広告の中を覗くと、似たようなものが見つけられるかもしれません。

こうなってくると、もう架空の話と切り捨てるわけにもいかないのです。
僕らは人間らしさをどこに求めればいいのでしょう。

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